個人からチームへ、好アクションを循環させる開発行動指針「Project Core Value」(前編)
こんにちは。プロダクト統括部の清水です。スキルマーケット「ココナラ」のプロダクトマネージャーをしています。
突然ですが、ココナラのプロダクト開発組織は直近3年で約3倍に急拡大し、プロダクトに関わるメンバーは100名を超えました。
さまざまな組織からメンバーが加わるなかで、求めるスピード感や進め方、コミュニケーションの仕方などの認識のずれが、生産性の低下やトラブルにつながってしまう場面も出てきていました。
多様なバックグラウンドのメンバーが全力でミッション実現に向かうため、今年策定したのがチームココナラ流・開発行動指針「Project Core Value」
です。
この「Project Core Value」について、前編では策定・浸透の検討過程、後編では具体的な施策と反響を、様々なプロジェクトメンバーに登場してもらいながらお伝えしていきます!
ココナラのバリューとは?
「バリュー」とは、ココナラのミッションを実現するために大切にする価値観やスタンスを定義したもので、
”One Team, for Mission”、”Beyond Borders”、”Fairness Mind”
の3つがあります。
ココナラでは、成果(ミッション達成レベル)に加え、行動(バリュー実践レベル)を評価する評価制度があり、ミッション達成レベルとバリュー実践レベルは同等に評価されます。パフォーマンスだけでは見えにくい、ココナラが大切にする行動ができる個人を称賛し、表彰する仕組みを作っています。
Project Core Value(PCV)とは?
「バリューを開発組織でどう実践するか?」を表現したもので、「最速で最大の価値を提供する」ための16の行動指針から成り立っています。
取り組みのゴールは、作った行動指針が現場で浸透し、それによって「あ!うちの開発組織の雰囲気、変わったな!」と実感が持てるようになること、その状態が維持されること。
ただ掲げるだけでなく、日々の開発の現場で使われて、意識と行動が変わっていくことを目指しています。
なぜ作ったか
プロダクト開発に関わるメンバー数はここ数年で一気に増加し、今や会社一の大所帯となっていますが、組織拡大の過程で色々な課題が出てきていました。
さまざまな組織からメンバーが加わるなかで、「今までの開発組織とは違ってココナラはこうなんですね」「ココナラはこういう時にこう判断するんですね」という「これまでの組織との違い」が話題にあがることも増えてきました。その違いが、気づくと生産性の低下やトラブルにつながっていることも…
私自身は2021年にココナラに入社したのですが、初めてのIT業界でプロダクト開発の経験もない状況でプロジェクトに参加したため、求めるスピード感や進め方、コミュニケーションの仕方などが開発メンバーと擦り合わず、なかなかプロジェクトが進捗しない状況に直面したこともありました。
業務を進めていくうえで迷ったり、悩んだりしたときの判断基準になるような行動指針があると、皆で同じ方向を向いてミッションを追っていけると考えました。
策定プロセス
2022年7月下旬、プロダクト開発の意思決定を行っているマネージャー6名が集まり、キックオフを実施。2ヶ月にわたり、経営陣や人事も巻き込みながら議論を進めました。
策定プロセスで大事にしたポイントは「開発組織全体で実践できるものにすること」です。
「チームココナラ流開発行動指針」は、特定の誰かに向けたものではなく、開発組織のあらゆる職種のメンバーに関わる内容にしたい。開発現場での具体的な場面に何度も立ち戻り、「現場で皆が合言葉のように使える具体性」にこだわりました。
STEP1 開発現場の課題共有
各自が「開発現場で課題だと感じた具体的な場面」をスプレッドシートに書き込み、自分以外の人が書いたものにもコメントをして、お互いの認識を合わせました。全員で集合し、開発フェーズ×職種の観点で、課題が網羅されているかダブルチェック。全部で約40個の課題が集まりました。
STEP2 グルーピング
集まった課題をみると、バリューを体現することで改善しそうなものが多くありました。そこで、バリューとその定義と照らし合わせて、「この課題はどのバリューを体現できると解消できそうか?」を議論しながらグルーピングしていきました。
STEP3 必要なスタンスの言語化
グルーピング後、課題ごとに「期待行動(本来はどのような行動をとってほしいと思っていたか)」を議論しました。「課題」と「期待行動」のギャップを埋めるため必要なスタンス案を50個ほど出し、課題の根っこの部分にアプローチできるよう、優先順位をつけながら21個まで絞り込みました。
STEP4 ブラッシュアップ
この段階で、「このスタンスで本当に行動に移せるか?課題は解決するか?」を最終確認するため、最初に持ち寄った「課題を感じた具体的な場面」と照らし合わせました。
「課題」「期待行動」「バリュー」「スタンス」を何度も往復しながら、重複したメッセージを統合したり、表現を修正したりして、最終的に16個のチームココナラ流・開発行動指針「Project Core Value」が完成しました。
それぞれの行動指針は、
日々の会話で使いやすいよう「最も大切にしたい理念」を一言で表現したフレーズ
そのフレーズの意図を正しく理解するための補足説明
という構成にしてバランスをとっています。
開発組織への浸透プロセス
策定したPCVが開発組織で日々使われるよう、2022年9月から、現場を巻き込んだ浸透プロセスが始まりました。
ここで大事にしたポイントは、「PCVの自分事化をサポートすること」です。開発組織メンバー皆が、PCVを自分自身の経験と結びつけて理解して、能動的に「より良い開発組織にするにはどうしたら良いか」を考えられるような働きかけを心がけました。
社内イベントでの全社周知
9月に行われた社内向けのココナラ10周年イベントで、全社にプロジェクトの告知をしました。(当日の様子はこちらをご覧ください!)
浸透推進チーム結成!
開発組織全体へのPCV浸透の旗振り役として「浸透推進チーム」を結成しました。私自身もその一員です!
様々な視点を取り入れるため、PdM、エンジニア(フロントエンド、バックエンド、アプリ)、デザイナー、QAから11人のメンバーが参加しています。
PCV理解ワークの企画・実施
開発組織メンバーがPCVを体得できるように、ワークを企画・実施しました。
まずは各自で「過去の開発でうまくバリューを体現できていなかった経験」と「その時必要だったスタンスはPCVのうちどれか?」を考えてもらいます。その後、同じチームのメンバーと共有し、PCVを見て気づいたことや、理解を深めたいスタンスを発表し、議論しました。
浸透アイディア企画
浸透推進チームは3チームに分かれ、各チーム2案ずつアイディアを検討。「予選」「本選」の2段階で実施する案が決まります。PCV議論メンバーから「開発組織全体で実践できるか?」「効果測定はできるか?」など複数の観点からフィードバックを受けながら、アイディアをブラッシュアップしていきました。本選でのプレゼンの結果、3つの案が採択されました!具体的な内容や反響は、後編で詳しくお伝えします。
▼本選の様子
おわりに
ココナラでは様々な職種で募集を行ってます!
ご興味をお持ちいただけた方はぜひお気軽にご連絡ください!