料理の道で挫折して、僕はゲームライターという天職に出会えた #わたしのスキル解放記
自分が当たり前のようにやってきたことが、別の誰かから見ると大きな価値になることがあります。
「#わたしのスキル解放記」では、自身の持つスキルに気づき、それをバネに人生の次のステージへとジャンプした人々の物語を紹介していきます。
今回お話を伺ったのは、ゲーム記事特化ライターとして活動しているkenblogさん。幼いときから一日中ゲームのことを考えているほどのゲームフリークだったものの、学校を卒業後は料理の道へ。
ふたたびゲーム一色の世界へ戻ってくるまでには、職場での軋轢やブログの長い低迷期など、数々の困難がありました。
ゲームが大好きな人の気持ちが手に取るようにわかる
ゲーム記事特化ライターとして活動中のkenblogさん。スマホゲームを中心に「読んだ人がプレイしたくなるようなわくわくするゲーム紹介記事」を得意としています。
一方で、依頼が殺到するとこれまでのように発注できなくなる可能性から「他の人には教えたくないライター」と評されることもあります。
ゲーム初心者にはわかりやすく、上級者にはモチベーションをくすぐる記事を。ターゲットを問わず、ゲームというフィールドの中で幅広く人の心を掴める理由は「とにかくゲームが好きだから」。
小学1年生、『スーパーマリオ』の衝撃
kenblogさんが初めてゲームに触れたのは小学校1年生のとき。友達の家にあったファミコンで『スーパーマリオブラザーズ』をプレイしたときの感動は今でも忘れられません。
中学生、高校生になってもゲーム熱が冷めることはなかったものの、まだ「ゲームを仕事にする」の選択肢が少ない時代。そもそも「ゲームを仕事にできないか」と考えることすらなく就職を迎えることになります。
どの職場も続かなかった料理人時代
そうして卒業後にkenblogさんが選んだのは、意外にも“料理”の道。
職場環境をもっと良くしていきたい。もっとお客さまに喜んでほしい。そんな思いに溢れていたkenblogさんは、立場や役職に関係なく、積極的に自身の考えを発信するタイプでした。
組織に所属していると、納得できないまま手を動かさないといけない場面も出てきます。「発言力を身につければ提案が通りやすくなるかも」と思い料理長まで上り詰めるも、取り巻く環境は変わらず……。
「やりもしないで、失敗するって決めつけるのはどうなんだろう」
次は、自分がいいと思うものを突き詰められる仕事がしたい。そんな思いから、退職後は会社員ではなく独立することを選択します。そこで「とりあえずやってみよう」と選択したのが、ブログ運用。生活のために貯金を切り崩すことになるので、初期投資が少ないという理由もあり選択したものの……。
どんなジャンル、どんな記事が読まれるのかを試行錯誤しながら研究する日々は、1年以上続きました。そんな中、今につながる決断の芽となったのはパートナーからの一言でした。
好きなことを仕事にして失敗したくない。心の奥底に抱いていた不安を、初めて自覚した瞬間でした。
それまで研究してきたSEO(検索エンジン最適化)の知識や記事の書き方をすべて動員して、当時好きだった『ロマンシング サ・ガ3』や『テリワンレトロ(ドラゴンクエストモンスターズ テリーのワンダーランドRETRO)』といったゲームの攻略記事を書き始めたところ、全く読まれなかった頃が嘘のように、3ヶ月目で記事が“バズ”るのを経験。ゲーム特化ブログを初めてから1年後には、月間PV数40万を超える人気ブログに成長しました。
ココナラを使い始めて3ヶ月。口コミが評判を呼び稼いだ金額は……
ブログの“バズ”を経て自分の強みはゲームにあると確信したkenblogさんは、ゲーム記事を仕事として成り立たせるため、活動の拠点をクラウドソーシングにも広げていきます。しかし、クラウドソーシングはブログとは異なり、クライアントからの依頼がないと仕事がスタートしません。そのやり方の違いには戸惑いもありました。
「とにかく営業の場を広げたい」とスタートしたココナラですが、結果的に「ココナラとの相性がすごくよかった」ことが、ゲームライターとしての飛躍につながります。
クライアントワークの実績がほとんどなかったkenblogさんにとって、ブログの実績で勝負できるココナラのスタイルが“カチッ”とはまった瞬間でした。
毎日書き続けていて、嫌になることはないですか?
現在、kenblogさんはブログとココナラを軸に活動をしています。ライターを始めて3年が経った今でも、書き続ける理由は変わらず「ゲームが大好きだから」。
いくら好きなこととは言え、毎日記事を書き続けていたら嫌になってしまうこともあるのでは……。
一日中、寝るときですらゲームのことを考えていて、その脳内を言語化しているだけ。時間を忘れてプレイしていた子どもの頃と、やっていることは何も変わらない。kenblogさんは、今の仕事についてそう語ります。
かつてkenblogさんが読んで心を踊らせていたゲーム雑誌や攻略本も、きっと当時の大人たちが同じような気持ちで書いていたもの。今「書く側」としてその情熱を引き継いだkenblogさんの記事を読み、かつての彼のようにゲームの世界を夢見る子どもが、今この瞬間、日本のどこかに誕生しているかもしれません。