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ココナラのカスタマーサポートが、サポートサービス業界の国際格付け機関による「HDI格付けベンチマーク」で、最高評価の三つ星を獲得できた理由とは?(前編)

こんにちは!ココナラでカスタマーサクセス部/カスタマーサポートグループ(以下、CS)のマネージャーを務めている、駒井(こまい)です。

この度ココナラは、サポートサービス業界の国際機関HDIの日本組織である、HDI-Japan(運営会社:シンクサービス株式会社)が主催する、HDI格付けベンチマーク「問合せ窓口(メール)」部門において、最高評価の三つ星を獲得しました!

HDI格付けベンチマーク「問合せ窓口」部門は、認定された専門審査員と一般消費者からなる審査員が対象企業に実際にユーザーとして問合せを行い、HDIの国際標準に基づいた評価基準に沿って、対応のクオリティとパフォーマンスを三つ星~星なしの4段階で格付けするものです。

シェアリングエコノミー業界の三つ星獲得は、なんと初!スタートアップ企業の中でもまだまだ少ない状況です。

HDIアワード2023表彰式の様子

今回は、ココナラのCSの取り組みや、大切にしていることを通して、どのような点が評価され、三つ星獲得へ至ったのかを前編・後編の2回に渡りご紹介したいと思います。

ココナラ カスタマーサクセスの組織体制と役割

まずはココナラのCSの体制をご紹介します。
2023年4月時点、40人ほどで4つの役割に分かれた組織体制になっています。

各組織の役割は下記のとおりです。

◆カスタマーサポートグループ
メールとチャットでユーザーからのお問い合わせに対応。仕様に関する問い合わせやトラブルなど、対応する内容はさまざま。

◆健全化グループ
利用規約に違反しているユーザーがいないか、出品サービスやユーザープロフィールなど新たに公開・更新された内容を随時チェック。ココナラのパトロール的存在。

◆QAチーム
新しい機能がリリース・改修される際の動作チェックを行う。エンジニア組織にもQAチームがあるが、CSでは、よりユーザー目線でのチェックを行うのが特徴。ユーザーとの距離が近いCSにQA機能を置くことで、ユーザーの声を反映しやすく、また同部署内での連携がスムーズにできるため、リリース後のサポート対応にも良い影響が多い。

◆イベントチーム
ユーザーイベントを通して、ユーザーとのコミュニケーションを図る。カテゴリ別交流会や、人気出品ユーザーのパネルディスカッションなど、ユーザーのモチベーションやスキル向上に繋がる多様な内容で月1回以上イベントを実施。ココナラ社員も誰でも参加ができ、様々な役割の社員が直接ユーザーの声を直接吸い上げている。

部全体としては、ユーザーから負の感情を取り除くのが役割だと思っています。

  • 使い方が分からない方のサポートやトラブルを解消し、負の感情を取り除くのがカスタマーサポートグループ

  • 違反を取り締まることで、トラブルという負を防ぐのが健全化グループ

  • 使いにくいプロダクトがリリースされるという負をチェックし、止めるのがQAやイベントチーム

と言えます。

スキルマーケットにおけるCS対応が難しい4つの理由

今回の「格付けベンチマーク」では、この中でもカスタマーサポートグループのメールサポートに対して三つ星評価をいただいた訳ですが、ココナラのCSは、一般的なCSに比べて、何倍も対応が難しいと感じています。その理由がこちらの4つです。

1.出品者も購入者もユーザー。CSはトラブル解決のためのアドバイザー役

一般的には”企業がサービスを提供する側”、”ユーザーがサービスを受ける側”だと思いますが、ココナラの場合、サービスの出品者も、購入者もユーザーであるというのが大きな特徴です。

企業がサービスを提供する側であれば、返金や交換などの対応が企業の判断でできますが、ココナラの場合はCSがトラブル解決のための意思決定を下すことはできません。双方の意見を冷静に聞きながら、お互いが納得いく解決策へと導く力が必要となります。

2.究極の無形商材「スキル」を扱うからこそ、問い合わせ内容の予測がつきにくい

決まった商品やサービスに対しての問い合わせと違い、毎回どんな内容の問い合わせが来るか予測がつきにくいのが、スキルを売り買いするココナラならではの難しさです。

だからこそ、メンバー一人一人の高い対応力が求められるし、受けた球をどれだけ良い方向に打ち返せるかがユーザーの満足度に直結するんです。難しい分、面白さを感じられる部分でもあります。

3.ユーザーごとの感覚や価値観に合わせた対応が必要

購入者も出品者もユーザーであるということに関連しますが、例えば

「取引相手から返信が来ない」

と問い合わせがあった場合、それが人によっては待てる日数が「3日」だったり、「1週間」だったりと感覚は人それぞれ。正解がないんですよね。だからこそ、その都度最適な対応を探すことになります。

4.カテゴリも用途も年齢層も、全てにおいて幅広いユーザーが存在する

2にも記載の通りココナラには、デザインやライティング、オンラインレッスンや占いなど450以上の幅広いカテゴリのサービスが存在します。用途もビジネスや趣味など、多岐に渡ります。ユーザーの年齢層も幅広く、ITリテラシーにもバラつきがあるので、問い合わせごとに相手に合わせた対応が必要になります。

問い合わせ内容は、使い方への問い合わせトラブルについての問い合わせの大きく2つですが、その中にそれぞれ購入者と出品者が存在する。それぞれに適切な案内をすることが求められます。

大切にしているのは、対応のパーソナライズ化

ここまでココナラならではのCSの難しさをお話してきましたが、だからこそ大切にしているのが、対応のパーソナライズ化です。例えば、

  • ビジネス用途のユーザーには、ポイントを箇条書きで

  • 年齢層が高めだったり、スマートフォンから問い合わせのユーザーには、読みやすい平易で短めの文章に

など、伝える内容が同じでも、相手に合わせて伝え方を工夫します。

その他、問い合わせへの対応に不満の評価があったものは、マネージャーがチェックしています。こちらの意図が上手く伝わっていないがゆえに不満を感じさせてしまっている場合もあるので、その際はフォローをして、負の感情のままやり取りを終わらせないよう、努力しています。

使い方の問い合わせは、短いやり取りで必要な情報を提供する

加えて、使い方とトラブル、それぞれの問い合わせにおいて大切にしていることをご紹介します。

使い方への問い合わせでは、質問に対しての返答だけでなく、先回りして必要であろう情報を提供するようにしています。少ないやり取りで済むのは、お互いにとってプラスですからね。そもそもですが、問い合わせをしなくても自己解決できるよう、ヘルプページの充実も注力している点です。

トラブルの問い合わせは、事実に基づいた対応を

トラブルの問い合わせは相手が感情的になっている場合もあるので、出品者が提示しているサービス内容ややり取りの内容など、事実を示しながら対応します。それでもご理解いただけない場合には、先ほどの対応のパーソナライズ化を駆使して、双方が納得いく着地点にたどり着けるようアドバイスします。

三つ星獲得の理由は、まさに“ココナラCSが大事にしていることを評価してもらえたから”

今回の三つ星獲得で評価してもらえたのは、まさに今お伝えしたココナラのCSが大切にしていることだったんです。

「HDI格付けベンチマーク」審査員の方からのコメントをご紹介させてください。

端的な分かりやすい説明で、自分向けの心のこもった寄り添いが文面の随所に感じられ、メールでここまで共感できるのかと驚くほどの対応であった。不安なくこのサービスを楽しんで利用してほしいという気持ちが伝わるので、利用開始後も運営側から充分なサポートを受けられることが期待でき、サービス全体の印象を上げている。

相手がどんな人なのか、何を求めているのかを考えて対応していることが伝わり、評価されたのはとても嬉しかったです!実は、僕は前職がウェディングなどのホスピタリティ関係の仕事をしていたので、「相手のニーズに合わせる」が当たり前として染みついているんです。だから伝える内容がオンリーワンである必要はないけれど、伝え方はオンリーワンでなければいけない。今後も大切にしていきたいことですね。

受付返信に記載された回答目安により心構えできポジティブに待てる。実際には期待を超えて短時間で回答があったので感動した。回答は簡潔だが情報量が多く網羅的なので、充実したセルフヘルプとの相乗により少ない回数のやり取りで迅速に解決する。

網羅的な解答や充実したセルフヘルプも意識的に注力している点なので、この評価は自信になりました。こういうことが利用満足度につながり、プロダクトの成長につながると考えています。

記事の後編では、ユーザーの満足度を上げるための具体的な取組みについてご紹介したいと思ってます。引き続きお付き合いのほど宜しくお願いいたします!

<駒井 翔一  プロフィール>
大学卒業後、家や車を売るのと違い、形がないもの=無形商材を相手に想像させ、購入いただくことに関心をもち、ホスピタリティ業界で、主にウェディングの仕事に従事。
ココナラは、「スキルを売り買いする」まさに無形商材を扱う会社であり、ユーザー満足度を高める難易度は感じながらも過去の経験を活かしながらやりがいを得られそうと感じ2021年に入社。現在はグループマネージャーを務める。

後編はこちら↓ ↓ ↓